初入港マルタ船籍アザマラ・クエストと京の町屋造り
初入港のアマザラ・クエストは3万トン乗客約700人乗員400人という豪華なクルーズ船です。乗客1.8人に対しクルーが1人で対応というのはデラックスブランドのようです。レストランが4ケ所、ヨガやピラテスなどのできるいわばセレブ用の仕様です。建物で言うと11階建てで3階くらいの高さにあるのはクラブ海側、7,8階にある客室はクラブデラックスベランダ及びクラブコンチネンタルスイートと呼ぶ客室です。一室の面積クラブ海側が15㎡に対し上階の客室は22~32㎡です。下の写真がそれぞれの客室内部です。
この船は夕方5時に次の港ペトロハバロフスクに向かって出港したのですが、私は、黒く塗られた部分の船室と上位階の船室の価格差はどのくらいあるのだろうという素朴な疑問を持ったのです。クラブ海側の開口部は特急列車の窓くらいなのに対しクラブコンチネンタルスイートは優にその三倍くらいあるのです。
そこで思い出したのが、間口の大きさで税金を決める“窓税です。中世のオランダではその窓の大きさが課税対象になったようで、それほど歴史が長くないオーストラリアでも、シドニーを訪れた際、ガイドさんが窓の大きさによって税金が決められたのですという説明。京都の町屋造りがウナギの寝床のように細長いのも、間口の大きさによって課税する豊臣秀吉に反抗したための設計なのだそうな。世の古今東西お上の考えることは同じというのは誠に興味深いことです。
そこで、具体的に窓の大きさによる価格の違いをアマザラ・クエストについて調べてみました。来年10月にこの船がエーゲ海とアドリア海を就航する7泊8日のツアーがあります。ある旅行会社の価格設定ですが、3階にあるクラブ海側が日本円で2名で約60万円に対しクラブコンチネンタルスイートは2名で115万円でした。つまり会の高さもありますが、開口部の大きさによって2倍くらいの差がありました。シドニーや京都に住む人々もこのような税額の差があったのでしょうか?興味は尽きません。